今回はおすすめのラノベ小説である『薬の魔物の解雇理由』の紹介をしたいと思います。
「薬の魔物の解雇理由」は桜瀬桜花さんの作品で、2016年に「小説家になろう」になろうで公開が開始しています。
「薬の魔物の解雇理由」のファンの間では『くすまも』と親しまれています
2021年8月に「薬の魔物の解雇理由」第1巻がToブックスより書籍化しており、「次にくるライトノベル大賞2021」の総合4位に選出され、さらに、「このライトノベルがすごい!2023(宝島社刊)単行本・ノベルス部門第8位にも選ばれました。
また、「コロナEX」によりコミカライズ化もされています。
ライトノベル小説でですが、『薬の魔物の解雇理由』は文章の表現方法が美しく水彩画のような世界観が目の前に広がっていくような作品です。
今回、『薬の魔物の解雇理由』がおすすめの人、そして、『薬の魔物の解雇理由』がどんな物語なのか説明いたします。
『薬の魔物の解雇理由』はどんな人におすすめ?

まずは、『薬の魔物の解雇理由』は以下の方におすすめの本です。
長編ラノベ小説が好きな人
薬の魔物の解雇理由は、『小説家になろう』に掲載されている小説でも980ページある長編作です。
さらに内容もメインの物語だけではなく、その物語で登場したサブキャラクターの思いや行動理由なども綴られているため、読み応えがある小説でもあります。
異世界ファンタジー小説が好きな人
物語は主人公が、おとぎ話のような異世界の森の中に迷い子として現れるところから始まっています。世界観の作り込みが本当に美しく、深いため普段はあまりライトノベル小説を読まないかたにもおすすめしたいです。
魅力的なキャラクターに出会いたい人
『薬の魔物の解雇理由』の魅力は何よりもキャラクター。主人公のネアや契約の魔物であるディノ。さらに最初はやっかいな敵のような感じで登場しますが、絶妙な距離感を保ちつつネアたちと関わるとある魔物など、ネタバレになってしまうので深くは話せませんが、登場人物の一人ひとりが本当に魅力的です。
食事や、素敵な季節のイベントなどの美しい描写を楽しみたい人
ネアは地球では明日の食事も困るほどの極貧の生活を送ってきたため、食事に対しての執着が強いです。
ネアは、朝食に焼き立てのパンに添えられた何種類ものバターを思うだけで、二時間は幸せについて語れるだろう。それに、何種類のハムを見ると涙が出そうになる。
決して、贅を尽くし胸焼けがするような生活ではなく、けれども窓辺の花瓶には庭の美しい薔薇が飾られ、部屋に備え付けの琺瑯のような素材のポットには、魔術で保温された香り高い紅茶や温かなミルクが添えられている。引用元 薬の魔物の解雇理由1巻 P61より
上の引用は食事について語られた一節なのですが、まるで食べ物の情景が浮かびそうなほど丁寧な描写になっています。
他にも魅力的なのは季節ごとのイベント。イブメリアに死者の日など薬の魔物の解雇理由独特のイベントがあり世界観にどっぷりと浸かることができます。
『薬の魔物の解雇理由』あらすじ

主人公はネアハーレイ・ジョーンズワース。通称ネアと呼ばれる女性です。彼女の一族は彼女が生まれる前から不幸がついていました。
親戚たちは彼女が生まれて間もないころに事故で亡くなり、大切な弟はネアが少女だったころに病気で亡くなっています。そして、両親までもが事故で亡くなりました。
ですが、両親の死は事故ではなく、事故にみせかけた殺人だということがわかり、ネアは両親の死を指示した男に復讐をすることにします。
ネアは男が主宰をしていた絶対失敗してはいけない式典で、自ら毒を飲むという形で復讐しました。
素人配分で毒を飲みましたが、ネアはかろうじて生き残り、長い入院生活を得た後、男が乗っていた車が海に落ちて男がなくなったと訃報を聞きます。
それから長い年月、ネアは家族と暮らしていた古い屋敷を1人で守っていました。
ネアは明日の食事にも困る極貧な生活を送っていましたが、ある日彼女はいつの間にか森にいました。
おとぎ話のような森にネアが見とれていた時、ネアを見つけて保護してくれたのが、ヴェルクレア国のウィーム領主であり元第二王子のエーダリアとその彼の側近であるグラストです。
この世界では違うところからやってくる来訪者は”迷い子”と呼ばれています。
ネアは保護されて連れてこられたウィームの領主館で、歌乞いという職業の斡旋を受けました。
歌乞いは歌によって魔物と契約を結び、魔術の恩恵を受けることができる職種です。魔物は嫉妬深く歌乞いになればたとえ同性の魔物であっても結婚することや子供を持つことは許されなくなります。
そして、歌乞いは魔物から魔術の恩恵を得る代わりに魔物の願いを叶えなければなりません。
ですが、魔物の願いは魔物が意図しなくても歌乞いの寿命を削っていきます。
ネアの歌乞いの契約はすでに締結されている状態でした。歌乞い自体は珍しい職業ではないですが、国を代表する歌恋は各国に1人。
宣託によってネアが国の歌乞いに選ばれていたため、彼女が歌乞いになる道はすでに固められていたのです。
エーダリアやネアが国の歌乞いと宣託を下した巫女が、ネアが今代の国を代表する歌乞いと説明を受けましたが、ネアの魔術が薄かったため歓迎されていない状態でした。
「歌で魔物を捕まえることはできなくても、ほかの歌乞いが懇意にする魔物をつけることができる」と巫女から説明を受けたネアは、契約をする魔物まで用意されてしまったら、唯一の味方を得る機会が閉ざされてしまう。そんな危機感を持ちました。
ネアは領主館の用意されていた部屋を抜け出して、夜の森の中でこっそり歌恋の儀式を行うことにします。
「なんでも願いをかなえてあげるから、私の願いを聞いてくれるかい?」
その言葉とともに、ネアの儀式によって現れたのがディノでした。
書籍情報

2025年現在、『薬の魔物の解雇理由』はライトノベルではToブックスにより3巻まで、『薬の魔物の解雇理由@COMICで3巻まで販売しています。
小説になろうのオンライン小説では、『薬の魔物の解雇理由』完結していまして、続編の『薬の魔物の継続理由』は掲載されています。ですが、作者の桜瀬綾香さんは2022年に逝去されているため未完の作品となっています。
まとめ
薬の魔物の解雇理由は私も何度も読み返していますが、読むたびに心が豊かになり幸せになれるそんな小説です。
読み応えがたっぷりある物語なので、気になる方はぜひお手を取ってみてください。
最後に私自身、このように素晴らしい小説に出会えたことに感謝いたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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